ご家庭での日本語での言葉がけや日本語学習というのは、果てしなく長く続く日々の活動です。なので、毎日、毎日「わ〜、すごいな」と思うようなほめる事がないかもしれません。また、もしお子様と一緒に日本語を勉強しているようでしたら、間違っているところやできないところが目についたりするのも当然のことと思います。そのような中で、ほめるというのは難しいことのように思われます。
まずは、ご自身のお気持ちに正直に「いいな」と思ったところをほめればいいのですが、それを日本語の学習といった視点だけに絞ってしまうと、バリエーションも限られていて、難しくなるように思います。
漢字は間違っているけれど、とても元気に書けている。いろいろと間違いがたくさんある文章だけれど、伝えたいという気持ちがよく伝わってきた。分からないということをきちんと伝えることができた、など。「日本語での「できたこと」だけでなく、それ以外のことでも、少し視野を広げてみると、子どもたちの行動の中に「いいな」「うれしいな」と感じることもたくさんあるのではないでしょうか。
また、「日」を「月」と読んでいるけれど、なんとなく同じカテゴリーの言葉とは覚えている、言葉の使い方は間違っているけれど、どこで聞いたのかよくそんな言葉を知っていた、などなど。正解ではないけれども、これから正解にたどり着くんだろうな、その途中の過程と思われる答えもあります。そんな答えが出てきたときも、「そうそう、よく曜日の仲間だと覚えていたね。」「そんな難しい言葉、よく知っていたね」とほめた上で、「惜しいんだけれどね、これはね、、、」と正しい答えを提示してもいいのではないでしょうか。
日本語がうまくできなくても、日本語の会話や学習の中で見つけたお子さんの良いところをほめてみませんか。そうすることで、「楽しい」「うれしい」「ほめてもらった」という感情と「日本語」がつながっていくように感じます。