さて、その論文では、子どもたちの「知性」をほめるよりも、子どもたちの「努力」をほめた方が、子どもたちの「失敗」に対する耐性がついて、結果的に「努力」をほめられた子どもの方が良い結果を残すということが示されています。
1998年に発表されたものなので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。「かしこいね」と言わずに、「良く頑張ったね」とほめようということになるのでしょうか。
小学校5年生の子どもたちを調べたこの調査では、最初の簡単な問題を解き終えた子どもたちに「よくできたね、かしこいね(知性)」「よくできたね、一生懸命、頑張ったね(努力)」と違った言葉かけをします。
その後、子どもたちは難しい問題をチャレンジするのですが(2回目)、もちろんうまく解けずに失敗を経験することになります。その後、3回目の問題に、それぞれのグループの子どもたちがどのような反応を示すのかを調べた結果を示しています。
ご想像の通り、「一生懸命、頑張ったね」とほめられた子どもたちは、3回目では「かしこいね」とほめられた子どもたちよりも、より難しい問題を解き、また問題を解くことを楽しむ傾向があることが報告されています。
大人数で行われた調査ではないので、一般論的にお話をするのは危ういかとも思いますが、それでも、皆さんの感覚的な経験ともあまりかけ離れていないように思うのですが、いかがでしょうか。